はしもと矯正歯科の橋本です。
小さいお子さまのお口の中をよく観察されておられますね。
まず結論から申し上げますと、具体的な「矯正治療」の開始はもう少し先でもよろしいかと思います。年齢でいえば6〜7才、前歯が永久歯に生え替わった頃が目処でしょう。
この最適な開始時期は矯正歯科の中でも諸説ありまして、確率は多くはありませんが、乳歯の時期(3〜5才)で開始するのが良いこともあります。そして「出来るだけ早い時期での相談、治療」を推奨する先生もいらっしゃいます。
しかし、考えていただきたいのは「何時終わるのか」と「どう直すか」です。
治療を行おうとすればなにがしか装置が必要になりますが、小学校就学前のお子さまに矯正治療の意義や必要性を理解してもらうのは少し無理があろうと思います。そこで本人の負担が少ない、例えば取り外し可能な「入れ歯」のような装置を使うことも
できますが、何のためかという理由や取り扱いの方法などはきちんと分かってもらうのはとても難しいことです。そして何時までかかるかと言うことを考えると、目安は概ね15才くらい(女性の場合)となります。これは成長の終了期を目処とするためで、矯正治療の目的が「見た目も機能も良い状態でそれを生涯維持する」ことだからです。
言い換えれば子供の一時期だけ歯並びが良くても成人して崩れてしまえば意味がないからです。従って永久歯列の完成時期や成長期を考慮すると終わるのが15才位になると言う理屈です。
で、1才2才から治療すれば10年を越える長丁場となってしまい、これでは本当に頑張りが必要な12才頃には「疲れて」しまうこともあり、是非おすすめとは言いにくいのです。
ご心配なのはよく分かりますので、不安があれば通院可能な専門医に定期観察をお勧めいたします。早くから観察に入っておけば最適な時期に最適な治療ができますので安心かと思います。
まあ矯正治療というものは早く始めれば早く終われる、といった物ではありませんので気長に取り組むスタンスも必要かと思います。
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