始めまして 大山矯正歯科 院長の大山です。
矯正治療に関するご相談の件、お答えいたします。
まず、矯正治療で、保険が適用できる治療についてご説明致します。
『顎変形症』という病名を適用できる患者さんの場合は、外科手術も矯正治療も 両方とも保険適用の対象となります。
費用的には、矯正治療費(保険の場合の患者負担分)は、およそ30万円位です。
外科手術の場合も、患者負担分は、30万円位なのですが、高額療養費の補助という制度を使う事が出来ます。
http://www.kokuho.or.jp/kokuho/high-expenses/index.htm
どういう事かと申しますと、一ヶ月内に、ある一定の金額(およそ7万3千円位)を越える医療費がかかったときには、その差額分を返還請求できるという制度です。そうすると、23万円は返還されるので、実質7万円強で手術が受けられるという事になります。
矯正治療と外科手術あわせて、40万円弱の費用で、治療が受けられる事になります。
なので、美容外科での200〜240万円というのは、とても法外な費用だと思われます。
また、歯を抜く治療を行ったのに、さらに、インプラントやセラミックを入れるなんていうのはこの治療において、論外の話です。(情報が氾濫していますので、正しい情報をインプットして判断していただきたいと思います)
保険治療費の話はここまでにしまして、治療の話に移らさせていただきます。
写真を拝見する限り、下顎の発育の悪い、出っ歯(上顎前突)という症状ですね。
この場合の治療法は、大きく分けて2つあります。
1、歯科矯正治療(矯正のみ治療で、自費扱いになります。保険扱いが出来ません)
2、外科矯正(歯科矯正治療と外科手術。どちらの治療も保険適用)
の2通りとなります。(顎の骨を切る外科手術を選択すると、矯正も外科も両方ともはじめて保険適用という事になります)
1、矯正治療のみの場合は、通常第一小臼歯(前から数えて4番目の歯)を上下左右各1本づつ、合計4本抜歯して、その歯を抜いた隙間へ、前歯を後にずらして、出っ歯を改善します。期間的には2〜2.5年位です。費用的には各医院によって異なりますが、60万円〜100万円位でしょう。
2、外科矯正の場合も、おそらく第一小臼歯合計4本抜歯して治療する事になるのではないかと思われます(歯を抜かない場合もあります)。期間的には、期間的にはやはり2〜2.5年位です。費用的には上述した通りです。
矯正治療と外科矯正との違いは何かといいますと、外科手術した方が下顎の位置が理想的な位置にする事が出来るので、顔貌(顔つき)の改善がより一層良好な状態にする事が出来ます。
ただ、外科矯正をするには、県の指定の医院(顎変形症認定医療機関)にて、『顎変形症』の診断を受けなければいけません。
水戸市にも、指定の医院があるようなので(県の顎変形症認定医療機関の指定を受けられている先生は、安心して受診できると思います)、お問合せの上受診されたらいかがと思います。
私見ですが、治療に2〜2.5年位 かかりますので、『通院しやすい』というのが第一条件で、あわせて、矯正をしていただける先生が、資格(認定医)を持っていて、指定(顎変形症認定医療機関)を受けている。
その先生の外科矯正の実績等(治療した患者さん写真などみせていただければ良いかと思います)。
また、外科手術はどの病院で手術を受診するのか(連携医療機関名)。
そして、その病院の外科矯正手術の実績などを考慮した上で、矯正医を選択される事お勧めいたします。
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